執筆・検証: MD Converter編集部
Markdownを印刷・PDFに変換する方法|無料・インストール不要
Markdownを印刷してPDFに保存する手順を解説。変換方法の選び方から用紙・余白・改ページ・表紙・目次、配布前の確認までまとめます。
MarkdownをPDFにする3つの方法
Markdownで作った仕様書、手順書、報告書をPDFにする方法は、大きく3つあります。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| ブラウザでHTMLを表示して印刷 | 単発で手早く保存したい | 印刷用CSSとブラウザ設定を確認する |
| エディタの拡張機能 | 執筆しながら何度も出力したい | 拡張機能ごとに対応記法が異なる |
| PandocなどのCLI | CIや定型文書で出力を再現したい | 初期設定と実行環境の管理が必要 |
どの方法でも、MarkdownをいったんHTMLなどの表示形式へ変換し、印刷エンジンでページに分割するのが基本です。変換できたことだけで終わりにせず、保存したPDFを開き直して表、画像、改ページを確認してください。
まず短い原稿で変換を試す
最初から長い文書を調整するより、見出し、リスト、表、コードを含む短い原稿で出力の癖を確認すると効率的です。
# 月次報告書
## 今月の成果
- 新機能を公開
- 問い合わせ対応時間を短縮
| 指標 | 今月 | 前月 |
|---|---:|---:|
| 利用者数 | 1,250 | 1,080 |
見出しレベルは#の次に##、その次に###という順序で使います。見出し階層が整っていると、本文だけでなく自動生成する目次も読みやすくなります。ブラウザで実際に試す手順はMarkdown Document ConverterでPDFを作る初回5分ガイドで順を追って確認できます。
用紙・向き・余白を決める
一般的な社内文書はA4縦向きから始めると調整しやすく、横長の表や図が多い場合は横向きを検討します。余白はCSSの@pageか変換ソフトの印刷設定で指定します。
@page {
size: A4 portrait;
margin: 18mm;
}
body {
font-size: 11pt;
line-height: 1.7;
}
CSSと印刷ダイアログの両方で大きな余白を指定すると、本文領域が必要以上に狭くなることがあります。用紙サイズと向きをそろえ、URLや日付が不要ならブラウザのヘッダーとフッターもオフにします。
改ページを調整する
標準Markdownには紙のページという概念がありません。改ページ位置は、用紙、余白、フォント、画像、本文量をもとに印刷エンジンが決めます。章を新しいページから始める場合は、印刷用CSSで指定できます。
@media print {
h1 {
break-before: page;
}
table,
pre,
figure {
break-inside: avoid;
}
}
break-inside: avoidを指定しても、要素自体が1ページより高ければ分割されます。大きな表やコードを無理に1ページへ詰め込まず、表を分ける、列を減らす、横向きにする方法も検討してください。詳しくはMarkdown PDFの改ページを自分で決める方法と余白を調整する方法で確認できます。
表紙と目次を追加する
数ページのメモなら本文だけでも十分です。仕様書、提案書、マニュアルのように版管理や回覧が必要な文書では、表紙に文書名、作成者、日付、版番号を入れると管理しやすくなります。業務文書ならではの書き方と提出までの流れは議事録・仕様書・職務経歴書をMarkdownで書いてPDF納品する方法で解説しています。
長い文書には見出しから目次を作ります。見た目を大きくするためだけに見出しを使わず、文書構造に沿って見出しレベルを並べてください。表紙や目次を追加すると本文の開始位置が変わるため、その後でもう一度改ページを確認します。
ブラウザの印刷ダイアログから保存する
HTMLプレビューを表示した状態で印刷コマンドを開き、送信先またはプリンターに「PDFに保存」を選びます。保存前に次を確認します。
- CSSと印刷ダイアログの用紙サイズ・向きが一致している
- 倍率が意図せず縮小されていない
- 背景色や背景画像が必要なら背景グラフィックを有効にした
- URL、日付、ページタイトルが不要ならヘッダーとフッターを無効にした
ブラウザやOSが違うと改ページやフォントの結果も変わることがあります。定期的に配布する文書では、同じ変換環境と設定を使うと差分を減らせます。
ローカル変換でも外部通信は確認する
ブラウザ内や手元のPCで変換する方式なら、原稿そのものを変換サーバーへ送らずに処理できる場合があります。ただし、MarkdownやCSSが外部画像、Webフォント、CDN上のスタイルを参照していれば、その取得先へ通信します。機密文書では、利用する変換方法のプライバシー説明を確認し、外部リソースをローカルファイルや埋め込みデータへ置き換えてから出力してください。
配布前のチェックリスト
保存したPDFを一度開き直し、次を確認します。
- タイトル、日付、版番号が正しい
- 見出しだけがページ末尾に残っていない
- 表、画像、コードが欠けていない
- 不要な空白ページがない
- リンク先が正しく開く
- 日本語や記号が別のフォントへ置き換わっていない
- ファイル名だけで内容と版が分かる
MarkdownからPDFへの変換は、保存操作だけで完了ではありません。短い試作で出力の癖を確認し、原稿の構造を整え、最後に保存済みPDFを読み手の目線で確認するところまでを一つの工程にします。文書ではなく発表資料が必要な場合は、MarkdownをスライドPDFに変換する方法でスライド出力の手順を確認してください。